第14回心理学研究室セミナー 藤崎和香先生講演会 2013年4月23日開催


文学部心理学研究室では,第14回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催しますので,ふるってご参加下さい。なお,講演内容は大学院生以上を想定しております。


第14回心理学研究室セミナー

日時:2013年4月23日(火) 午後5時から
場所:法文1号館3階 312教室

【講師】 藤崎和香先生(産業技術総合研究所)
【演題】 異種感覚モダリティ間の同時性知覚

【要旨】 私たちが日常生活で経験する事象の多くは元来マルチモーダルなものである。しかしながら,視覚,聴覚,触覚といった各感覚モダリティの情報は,知覚系においていったんばらばらに処理される。したがって,私たちの脳が一体感のある知覚世界を構築するためには,入力段階でいったんばらばらに処理した各モダリティの情報を適切に統合しなければならない。
 時間的同期性は空間的一致性とともに,異なる感覚モダリティ間の情報を統合して一体感のある知覚世界を構築するための重要な手がかりとなる。同じ事象に由来する各感覚情報は,通常,同じ時空間位置を共有すると考えられるからである。では,人間の脳はどのように感覚モダリティや属性をまたがった時間関係を判断しているのだろうか。
 講演者らは近年,異なる感覚モダリティ間・属性間の同時性知覚には,感覚モダリティや属性の組み合わせに依存する時間限界と,組み合わせに依存しない共通の時間限界とが存在することを発見した。同期・非同期弁別課題の時間限界は感覚モダリティや属性の組み合わせによって異なり,例えば視聴覚,視触覚の組み合わせでは約4 Hzとなるのに対して,聴触覚の組み合わせでは約10 Hzとなる。一方で,対応付け(バインディング)課題の時間限界は,感覚モダリティや属性の組み合わせに依存せず,どの組み合わせであっても約2-3 Hzと共通になる。本講演ではこれらの心理物理実験についてデモを交えながら紹介するとともに,異種感覚モダリティ間,属性間の対応付けのメカニズムについて議論したい。