第16回心理学研究室セミナー 田中 章浩 先生講演会 2013年6月11日開催


文学部心理学研究室では,第16回心理学研究室セミナーとして以下のような講演会を開催しますので,ふるってご参加下さい。なお,講演内容は大学院生以上を想定しております。


第16回心理学研究室セミナー

日時:2013年6月11日(火) 午後5時から
場所:法文1号館3階 312教室

【講師】 田中 章浩 先生 (東京女子大学現代教養学部)
【演題】 情動の多感覚コミュニケーション

【要旨】 人間同士で言語情報および非言語情報のコミュニケーションをおこなうとき,相手の音声は聴覚,そして表情は視覚というように,それぞれの感覚器官から情報が受容される。一方で,言語情報・非言語情報の知覚は,複数の感覚情報を巧みに用いることによって実現されている。例えば,音声知覚には口の動きの視覚情報も用いられるし,情動知覚には表情以外にも,声のパラ言語情報も用いられる。講演者はこうした多感覚的なコミュニケーションを支える知覚・認知基盤と,その適応的変化に関心をもち,非言語情報のひとつである情動の多感覚知覚について研究を進めている。情動の多感覚知覚には普遍的側面と,環境に応じて適応的に変化する側面があると考えられる。講演者らは日蘭比較文化実験をおこない,表情と音声による情動の多感覚知覚には文化差があり,日本人はオランダ人よりも声への依存性が高いことを見出した。この結果は,人間が特定の文化・言語的環境で成育する過程で,多感覚情報に対する重みづけを適応的に変化させていることを示唆している。