社会心理学研究室主催 コロキウム「文化・社会・遺伝の関わりを考える(1)」 2015年2月13日開催


◆日時:2015213日(金)15:00-18:00

 

◆場所:東京大学本郷キャンパス 法文2号館2階 教員談話室

 キャンパスマップ:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_02_j.html

 *法文2号館は、正門からまっすぐ安田講堂に向かう銀杏並木の右側の建物です。

  アーケード内を進むと東西に入口がありますので、東側(安田講堂側)の

  入口から階段をお上がりください。

 

◆講演者1: 山形 伸二  (九州大学)

 題目:「人間行動遺伝学の方法と社会科学的展開」

 概要:人間行動遺伝学は,双生児や養子などを対象としたデータを得る

    ことで,通常は交絡している遺伝と環境の影響を分離して評価すること

    ができる。本発表においては,まず(1) 最も単純な手法であり,研究の

    蓄積の多い単変量遺伝分析(遺伝率の推定)(2) より発展的な手法であ

    り,複数の特性(e.g. 気質と問題行動)の間の相関関係(共分散)を遺伝由

    来,環境由来に分解する多変量遺伝分析,(3) 特定の環境条件下におい

    て遺伝の影響の強さが異なることを明らかにする遺伝環境交互作用分析,

    のそれぞれについて,基礎となる考え方と方法について説明する。その

    うえで,発表者の携わってきた研究を中心に,これらの手法を用いてこ

    れまでに得られた代表的知見について紹介し(e.g. 人間行動遺伝学の三

    法則),さらに人間行動遺伝学の方法を社会科学領域に適用することの必

    要性と有効性,および実際の研究例について紹介する。

 

◆講演者2:針原 素子 氏(東京女子大学)

 題目:「一般的他者への態度と社会的ネットワークの日韓米比較研究」

 概要:日本人の一般的信頼は,アメリカ人と比べて低く(e.g., 山岸,

    1998),韓国人と比べても低い(e.g., Sato, 2010)ことが指摘されて

    いる。本報告では,日本人は本当に他者一般に対して否定的なのか,そ

    れはなぜなのかについて検討するために,発表者がこれまで行ってきた

    研究について紹介する。日韓米において行った社会調査,フィールドワー

    クの結果,日本人はアメリカ人,韓国人と比べて,一般的信頼が低く,

    見知らぬ他者と相互作用しない傾向が確認された。また,アメリカ人,

    韓国人と比べて,日本人のネットワークサイズは小さく,境界密度(家

    族,友人集団,職場集団などの各領域間のつながり)が低いこと,その

    ようなネットワーク構造が日本人の一般的他者への否定的態度と関連し

    ていることが分かった。何が日本人の他者との積極的な関わりを妨げて

    いるのか,その心理的要因について検討したいくつかのデータと共に議

    論したい。

 

◆お問い合わせ先: 東京大学大学院人文社会系研究科 社会心理学研究室

 E-mail: sphisho[at]l.u-tokyo.ac.jp